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交通事故と弁護士委任のタイミング

弁護士 内藤 幸徳

弁護士 内藤 幸徳

東京弁護士会

この記事の執筆者:弁護士 内藤 幸徳

東京弁護士会 高齢者・障害者の権利に関する特別委員会委員副委員長。 祖母の介護をしながら司法試験に合格した経緯から、弁護士登録後、相続、成年後見等、多くの高齢者問題に取り組む。 また、賠償責任の実績が多く、特に交通事故は、年間200件を超える対応実績がある。 医療機関の法務に強く、医療・法務の架け橋になれる弁護士として活動している。

交通事故に遭われた際、どのタイミングで弁護士に相談・依頼をするのが良いでしょうか。

弁護士費用特約が利用できる方

弁護士費用特約に加入されている方の場合には、余程重大な損害が発生している事案を除いて、依頼者様の経済的負担なく、弁護士に相談・依頼が出来ます。

そのため、弁護士への相談は早いタイミング(治療が終了する前)でしていただき、今後の対応についてアドバイスを求めることをお勧めします。

一括対応がなされている事案の場合、治療終了前に委任するか、治療終了後に委任をするか、悩まれることも多いと思います。

お怪我に関する損害賠償額は、治療が終了しないと確定しないことから、具体的な損害賠償額の交渉は治療終了後に行われることになります。

一括対応がなされていて、相手方保険会社から早く打ち切られるような事案でなければ、一括対応終了後に弁護士委任をすることでも問題ありません。

他方、治療終了前に弁護士に委任をするメリットとしては①一括対応終了時期などについて相談が出来る②相手方保険会社と直接話をしなくて済む③慰謝料等の賠償を適切に受けるため、損害額が確定する前から弁護士に相談できる④後遺症が残る可能性がある場合、後遺障害診断書の作成につき、弁護士に相談できること等が考えられます。

いずれも決して小さな事情ではありませんので、弁護士への委任はともかく、相談だけは治療終了前にしていただくことをお勧めします。

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弁護士費用特約が利用できない方

弁護士費用特約が利用できない場合、治療終了後に弁護士委任をされる方が依頼者様に良い結果となることが多いです。

この場合、依頼者様に経済的負担が発生しますが、多くの法律事務所が「経済的利益」を基準に、弁護士報酬を定めています。

経済的利益とは、多くの場合、「弁護士介入により、得られた利益」などと定義されます。

治療が終了し、相手方から既に提案がある場合には、経済的利益は、「最終的な示談額ー相手方の提案額」となることが多く、相手方から既に提案がある金額が経済的利益から控除されることで、結果として、依頼者様の負担を減らすことが出来ます。

また、相手方から提案がある場合には、弁護士への相談時に、弁護士介入により、増額が見込めるか、また、その額はどの程度か、を具体的に相談することが出来ます。

定量的な説明を受けた上で、弁護士委任をするかどうか判断することが可能になるのも大きなメリットです。

まとめ

お怪我がある交通事故の事案において、①弁護士費用特約が利用できる方は治療終了前に弁護士に委任をすること②弁護士費用特約が利用できない方は治療終了後に弁護士に委任をすることが、依頼者様にとって良い結果となることが多いです。